糖尿病と高血圧の関係について
糖尿病の人が高血圧になる割合は、糖尿病ではない人と比べると2倍高くなることがわかっています。
何か関係があるのでしょうか?
糖尿病と高血圧の関係について
糖尿病の人は高血圧になりやすい。
これには4つの理由が関係しています。早速みていきましょう。
1つ目 肥満
肥満になると交感神経が緊張し、血圧を上げるホルモンであるアドレナリン、ノルアドレナリンなどが多く分泌されます。このホルモンが分泌されると高血圧になります。これらは特に2型糖尿病の人に多い傾向にあります。
2つ目 末梢血管
糖尿病の人は遺伝子欠損によりチャネルの働きが低下します。
このチャネルというのは細胞内液、細胞外液のイオンのバランスを保つ働きをしていますが、働きが低下することで細胞の中にナトリウムが増えます。
そうなるとイオンバランスが崩れて身体は維持しようとすることでカルシウムが増えます。カルシウムには筋収縮させる働きがありこれが末梢血管抵抗を上昇させ血圧上昇につながるのです。
3つ目 心臓血管系
健康な人は浸透圧が正しく保たれています。細胞内液と細胞外液ですね。
しかし、糖尿病による血液中のグルコース濃度が高い状態が続くことで浸透圧のバランスが崩れます。すると細胞外液の浸透圧が高くなります。これがブドウ糖濃度が高い証拠。
人は常に恒常性維持により同じ濃度になろうとする作用が自然と働きます。
しかし細胞外液多くなることで細胞外の水分量が多くなります。この水分量は血液意味します。
水分量が増加すると、循環血液量も多くなります。
循環血液量が多くなると、全身に血液を送り出す心臓のポンプ機能に大きな負担がかかります。大きな負担がかかった心臓は一生懸命血液を体内に送り出そうとするので拍出したとき、つまり収縮血圧が高くなり高血圧となります。
4つ目 糖尿病性腎症から高血圧
血液中の血糖値が多いと膵臓から大量のインスリンが分泌されます。
そして血液中にインスリンが増え、高インスリン血症となります。
インスリンは腎臓でナトリウムの吸収を促進します。ナトリウム濃度が高くなった状態では腎臓は浸透圧のバランスを保とうとし、細胞間液から水分を取り込みます。
その水分(血液)を循環させるために血圧が上がってしまうのです。
糖尿病では動脈硬化も発症しやすくなる
動脈硬化とは血管内そのものが狭くなるものです。そして血液循環に影響を及ぼし狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。
動脈効果の元々の原因は生活習慣病である高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満などがあります。この4つが兼ね合わさるとメタボリックシンドロームと呼ばれる現代人に多い症状になります。
数字で見ると糖尿病と高血圧が虚血性心疾患や脳血管疾患に及ぼす危険性は、健康な人の2~3倍、高血圧で2~3倍、糖尿病と高血圧があると6~7倍にもなります。
糖尿病と高血圧が合わせて起こることで生命の危機も高くなってしまいます。
日頃からの生活習慣を一度見直すこと。そして適度な運動、ヘルシーな食事を心がけていきましょう。